HiCEPを使った研究事例をご発表していただきます
網羅的転写産物発現プロファイリング法であるHiCEP(Hign Coverage Expression Profiling)のセミナーを開催することになりました。HiCEPに関わって10年、やっとユーザのみなさんにご発表いただける状況になったのだなと感無量です。
HiCEP法は、ゲノムやcDNAの配列情報を用いず、生物学的現象と関連して転写産物の量が変動する遺伝子候補を提供する手法で、おそらく他のどの方法よりも、信頼性の高い候補を多く得ることができる優れた手法であると思います。その精度が出る理由は、(1)1種類の転写産物から制限酵素を用いて1種類の断片のみを得、それを測定対象とする手法であること、つまり、測定対象を転写物全長ではなくフラグメントに限定したこと、(2)すべての転写産物が手技の対象となること、つまり、漏れ溢れ落ちる転写産物はなく、低発現の転写産物でも手技ごとに対象となる量に差が出ないということ、(3)よって、低発現転写産物も検出可能ということになるのですが、そのことだけではなく、たとえば、多くの転写産物の中から、発現ゼロ状態から微妙な低発現を経て発現が亢進する転写産物を正確に捉えることが可能な手法です。今回のセミナーでは、HiCEPを使った研究が5演題。IPS細胞、放射線や薬物の微量生体反応、ガンの予後判定、深海の貝のバクテリアとの共生に関連する遺伝子、そしてイネ。HiCEPの適用分野の広さを示す発表内容になっています。わたしも、HiCEPのフラグメントを次世代シークエンサーで読んでデータ化する方法(最近はHiCEP-seqと読んでいます)について発表するかもしれません。きっと楽しい会になると思いますので、ご興味ある方は是非ご参加ください。
本会の詳しいご案内 (http://www.mscape.co.jp/seminar.html)
お申し込みはこちら (http://www.mscape.co.jp/meeting/subscription.html)
HiCEP法の詳細は、(独)放射線医学総合研究所のこのサイトを...
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ HiCEP 研究会 - 全ての生物に対応可能な次世代トランスクリプトーム解析に向けて - 第1回 Messenger Scapeセミナー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■日時 : 平成23年11月28日(月) 13:00 - 16:25 研究発表 16:25 - 18:30 懇親会 ■会場 : 関東ITソフトウェア健保会館(JR総武線 大久保駅 徒歩1分) 東京都新宿区百人町2-27-6 ■参加費 : 無料(定員50名、事前申し込み制) ■研究発表: 「HiCEPerによるiPS化関連遺伝子群の単離」(仮) (独)放射線医学総合研究所 研究基盤センター 研究基盤技術部生物研究推進課先端遺伝子発現研究チーム 安倍真澄先生 「HiCEPを用いた”微量”に対する生体応答の検出」 (独)放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター 国際重粒子医科学研究プログラム細胞分子機構研究チーム 藤森 亮先生 「HiCEP及びDNAマイクロアレイから同定した遺伝子群による 肝細胞癌術後再発予測」 山口大学 医学部医学系研究科 消化器・腫瘍外科学 恒富亮一先生 「深海産二枚貝ヒラノマクラの共生現象に関与する発現遺伝子の探索」 (独)海洋研究開発機構海洋・極限環境生物圏領域 化学合成生態系進化研究チーム 河戸 勝先生 「HiCEPによる2重変異体イネ種子の網羅的遺伝子発現解析」 大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科分子情報化学講座 北村進一先生 ■懇親会 参加者の皆様の情報交換の場として、ささやかではありますが飲食の 準備をさせていただきました。 [ お問い合わせ先 ] メッセンジャー・スケープ株式会社 事務局 担当者名:木村暢宏・依田勝徳 Tel: 03-6908-6775 e-mail: seminar@mscape.co.jp URL: http://www.mscape.co.jp/