最初から世界市場にいくほうがいい

 こんな話をブログに書くのも恥ずかしいのですが、わたしたちは、なぜ会社や新しい事業を始めるときに、最初から、当然、当たり前のように、意識することもなく、市場を”世界”と思わなかったのかと、大きな反省をしています。

なぜ市場を世界中としなければならないのか

 日本という国は、高度成長を遂げて、”大きな国”になりました。なので、日本という国だけで商売できるような気がしていました。しかし、数年前にいくつかのりっぱな中小企業の方々とお話する機会があったのですが、みなさん口を揃えておっしゃることは、”日本の市場は小さい”そうで、安定した経営を目指すには海外に販路を求めなければ生きていけないとおっしゃっていました。我々のような生物系研究支援の日本市場はどうかというと、大学の数から考えても、研究室の数として1万前後と言われています。次世代シーケンサの導入数が約100台から200台と言われていますので、だいたいそんなものでしょう。つまり、研究者ひとりひとりが使うような商品ならば、日本ても1万本以上売ることはできると思いますが、研究室単位で使うものであれば年間100から200売れれば、大ヒットなわけで、それ以上はどんなにがんばっても売れないのです。これがヒット商品ではなく、いろいろ改善の余地がある商品で、なかずとばずだとすると、年に数本から数十本程度の売上しか達成できず、研究開発に回せるお金を捻出できないわけで、キャピタルにアピールするにいたらず、遅々として進まない状況が生まれるわけです。これが、世界市場で考えるとどうなるでしょう。市場の大きさは10倍といわれていますので、なかずとばずでも、年に数十本から数百本うれることになり、日本での大ヒットをはるかに超える売上が期待できます。そこから、わずかでも研究開発費を捻出して、商品をさらに改善・改良していくことができるわけです。つまり、だめな技術や会社は、世界市場でもおそらく長続きしません。なかずとばずの会社や技術は、日本では生き残るのが大変だけれども(つまりだめな技術との差がわかりにくい)、世界に行けばそれなりに生き残れ、花開くストーリも描けるということです。

なぜ最初から世界を目指さなかったのか

 それは、情けないことに日本以外の市場は”儲かってから”と考えていたわけです。儲からないときこそ、世界を市場にしなければならなかったのですね。イギリスは、日本と同様国土は小さいですが、イギリスのベンチャーは国内だけを市場とは、はなから思っていないでしょう。
 まずはホームページを英語にと、海外の企業のひとから言われます。その通り。恥ずかしながら、まだちゃんとは出来ていないのです。いまからでも遅くない、当たり前のように世界を見るように変えていきます。