最初から世界市場にいくほうがいい

 こんな話をブログに書くのも恥ずかしいのですが、わたしたちは、なぜ会社や新しい事業を始めるときに、最初から、当然、当たり前のように、意識することもなく、市場を”世界”と思わなかったのかと、大きな反省をしています。

なぜ市場を世界中としなければならないのか

 日本という国は、高度成長を遂げて、”大きな国”になりました。なので、日本という国だけで商売できるような気がしていました。しかし、数年前にいくつかのりっぱな中小企業の方々とお話する機会があったのですが、みなさん口を揃えておっしゃることは、”日本の市場は小さい”そうで、安定した経営を目指すには海外に販路を求めなければ生きていけないとおっしゃっていました。我々のような生物系研究支援の日本市場はどうかというと、大学の数から考えても、研究室の数として1万前後と言われています。次世代シーケンサの導入数が約100台から200台と言われていますので、だいたいそんなものでしょう。つまり、研究者ひとりひとりが使うような商品ならば、日本ても1万本以上売ることはできると思いますが、研究室単位で使うものであれば年間100から200売れれば、大ヒットなわけで、それ以上はどんなにがんばっても売れないのです。これがヒット商品ではなく、いろいろ改善の余地がある商品で、なかずとばずだとすると、年に数本から数十本程度の売上しか達成できず、研究開発に回せるお金を捻出できないわけで、キャピタルにアピールするにいたらず、遅々として進まない状況が生まれるわけです。これが、世界市場で考えるとどうなるでしょう。市場の大きさは10倍といわれていますので、なかずとばずでも、年に数十本から数百本うれることになり、日本での大ヒットをはるかに超える売上が期待できます。そこから、わずかでも研究開発費を捻出して、商品をさらに改善・改良していくことができるわけです。つまり、だめな技術や会社は、世界市場でもおそらく長続きしません。なかずとばずの会社や技術は、日本では生き残るのが大変だけれども(つまりだめな技術との差がわかりにくい)、世界に行けばそれなりに生き残れ、花開くストーリも描けるということです。

なぜ最初から世界を目指さなかったのか

 それは、情けないことに日本以外の市場は”儲かってから”と考えていたわけです。儲からないときこそ、世界を市場にしなければならなかったのですね。イギリスは、日本と同様国土は小さいですが、イギリスのベンチャーは国内だけを市場とは、はなから思っていないでしょう。
 まずはホームページを英語にと、海外の企業のひとから言われます。その通り。恥ずかしながら、まだちゃんとは出来ていないのです。いまからでも遅くない、当たり前のように世界を見るように変えていきます。

「夫婦茶碗」と「ペアルック」

夫婦茶碗」と「ペアルック」は、良く似ています。が、ちょっと違いますね。「夫婦茶碗」は、作者がカタチを意識して作られたもので、「ペアルック」はそれを”着る”ひとがカタチをイメージしているわけで、作る側はペアルックを意識しているわけではないことが多いでしょう。夫婦茶碗とは、そこが違う。ならば、ペアルックを意識して服を作ったらどうなるだろう それは夫婦茶碗と”同じ”ところに立つことになる。

使うことによって現われる「カタチ」と、物を作る過程で作者が思い描く「カタチ」との2種類があるという仮説が立てられないだろうか。

 物は使われる(鑑賞されるも含む)ことによって、その物に「カタチ」が現われる。以前にも記述したように、「カタチ」は人の心の中にある。しかし、作者は自分が使う人となって現れる「カタチ」をイメージしながら、さらに、自分とは違う実際に使う人と作品との関係を思い描きながら作品を作っていく。が、作者の手を離れたとき、想像することしかできない「カタチ」となってしまうわけです。

 少し寂しいようですが、不思議・不思議、それぞれの心の中の「カタチ」ははっきり見えないのに、同じ物を使って、複数のひとが、”これいいよね”と同じ感想を述べるわけなので、この物理的には乖離しているにも関わらず、でも同じように感じているらしいということを確認できることは、本当にすばらしいことだと思います。

 つまり、物を作って、それを手放して、どこかに置かれて、使ってもらうことで、その物を中心に人々の心が動き、生活にさざなみが立ち、関係する人たちに新たな展開をもたらすということなんでしょう。

 ペアルックは、その服を二人が”これいいよね”と思い、”これいっしょに着てもいいよね”と思えてはじめて成立するわけで、まさに、物が人の心に幸せな変革と発展をもたらす良い例なのかもしれません。

夫婦茶碗の「カタチ」

 夫婦茶碗(みようとじゃわん)のお話です。
 同じようなデザインで、ちょっと大きめと小さめの茶碗がセットになっているやつです。(最近はお店で売ってない?)”夫婦茶碗”という名称をつけると、茶碗2個セットに”夫婦”という「カタチ」が現れるようになるから不思議です。言葉が持つ力はすごくて、言葉の「カタチ」は、想像の中の茶碗セットが、普遍的夫婦や親子、嫁姑など、家族の関係にまで広がるイメージがあります。
 一方、現実に存在している”夫婦茶碗”は、それを使うひとにとって、名称とは切り離して考えても”夫婦茶碗”の「カタチ」を持っていると思います。お店で茶碗の2個セットを手にして購入しようとされている方や、実際に茶碗にごはんやお茶を注いで使っている瞬間に、いろいろな「カタチ」が見えていることを想像することができます。夫婦が同じデザインのものを使う。夫が少し大きいのを使い、妻が小さいのを使う、形が同じで色違いを使う という茶碗のセットは、”夫婦茶碗”という言葉とは関係なく、家庭内のひとつの意図されたパフォーマンスとして、多くの家庭で作られた「カタチ」でもあり、さらに、同じデザインでなくても、大きさがどうであれ、その家庭の中での夫が使う茶碗と妻が使う茶碗には、その家庭内で夫婦茶碗的「カタチ」が存在しているとも思うわけです。
 夫婦間や家族内での夫婦の関係を具体化する「象徴」として捕らえられる夫婦の茶碗たち。
 もし、映画などで、夫婦の片方が遠くにいったしまったとき、テーブルの上や、水切り籠や、食洗機の中に、そのひとの茶碗ひとつを象徴的にアップで撮るのか、夫婦の茶碗を2ついっしょにアップで撮るのか、テーブルの上にふせられた茶碗にフォーカスを当てておいて食事をするひとたちの手や茶碗や箸の動きを少しピントがずれた状態で取るのか、家族全部の茶碗のアップでとっておいて「おとうさんのは当分ここね」という言葉とともにその茶碗がすっと消えるのか、そこに現れる映画作品としての「カタチ」をも表現できるのかもしれません。
 今日の話を書いていて、”夫婦茶碗”というテーマで、言葉の「カタチ」、物の「カタチ」、そして、物を使うという暮らしの「カタチ」、さらに、物を使って表現をする「カタチ」と表現結果を見たときの物の「カタチ」という具合に、たかが”夫婦茶碗”という”物”に「カタチ」を与えるそれぞれ異なる場面で、異なる「カタチ」へのアプローチがあることがわかりました。がしかし、それらに共通に存在している夫婦という「カタチ」があることも明確に実感できました。
 そして、”夫婦茶碗”を作るひとは、おそらく、これらのいろいろなアプローチの「カタチ」をすべてイメージして、ひとつの”夫婦”というテーマを具体的な物に表現することになるのではないでしょうか。
 ソフトウエアはある意味では工業製品であるわけですから、”夫婦茶碗”のような暮らしの中で使うものではありません。しかし、工業デザインとしてでも、ソフトウエアが設計されるものであるわけですから(ソフトウエアは通常の物つくりで考えると、正確には製造工程はありません。試験工程まで設計工程です。機会があればまたこれについては考えを述べます)、作られる物へのいろいろなアプローチをイメージして、目的の機能を具体化することが必要なのではないでしょうか。
 ユースケースを列挙していくということが、いろいろなアプローチをイメージするための作業にあたるのでしょうね。昔は、ソフトウエアをユーザが使っている様子を描写する文章を書いて、どういうプログラムを作ればいいのかの作業をしていて、恥ずかしながらそれをdrawingと呼んでいました。実際には文才はまったくなかったので、ひどい文章だったのですが、ソフトウエアの「カタチ」のイメージをまとめるためには役立った手法だと思いました。

物の「カタチ」ということに関する思い

 我々のような”物つくり”としてプログラミングを生業とするものにとって、ソフトウエアにおける「カタチ」は重要ですが、多くのプログラマには明確に意識はされていないようです。わたしがどれだけ正しくこれを語れるのかわかりませんが、考え続けていきたいと思っています。
 「カタチ」を別の言葉にすると「構造」といってもいいのではないかと考えておりますが、ソフトウエアの構造は実像として目に見える部分はごく限られていて、つまりソフトウエアの「カタチ」は概念的にイメージとして認識されるものなのです。
 30年程前、赤や黒のヘルメットをかぶったひとたちが大学内を行き来していたころ、わたしは「構造」に関するブルーバックスの本を読んで(題名忘れてしまいました)、そこから「構造」に興味を持ちはじめました。
 「構造」は「関係」そのもので、「構造物」は「関係」を「具体化したもの」だと考えています。
 たとえば、通常の「構造物」は、地球上に存在していますので重力との関係から開放されません。空気中にいれば空気、水の中にいれば水、との関係からも開放されません。また、机の高さ。ドアの大きさ。これらは、人間の大きさが基準になって決められます。つまり、物の「カタチ」は、物のまわりの環境や別の物との物理的な関係、また、利用する人との物理的な関係で「カタチ」が決まっていきます。それは、”解かりやすい構造”です。しかし、ミニチュア家具の机の高さは単純に人間との物理的な関係で決まるわけではありませんし、お城の門のように必要以上に大きな”扉”も世の中には存在していて、それらがその「カタチ」になったのは、単純な物理的関係だけではない要素がああることは間違いないでしょう。
 また、新聞紙。新聞紙の本来の「カタチ」は情報を伝えるメディアですが、新聞紙が八百屋さんで使われると、野菜を包む包装紙となります。包装紙にむいているという理由で新聞社を選んでいる八百屋さんがいたとかいないとか。。。つまり、同じ”物”でも、使う側の都合で、そのものの「カタチ」が異なるものに変貌します。
 ということは、物の「カタチ」には、物理的な関係だけではなく、使い手(見る人)の脳の中にあるなにかであると考えていいのではないでしょうか。つまり、「カタチ」はもともと概念的なものであるということなのですが、では、ソフトウエアの「カタチ」が概念的であるということと同じなのでしょうか?
 プログラマがプログラムを作るときに意識するソフトウエアの「カタチ」は、作る「カタチ」です。一般の物であれば視覚的に見える形を考える(設計する・デザインする)工程にあたります。しかし、一般の物と異なるのは、「カタチ」を形として可視化することが難しいという点です。可視化が難しいということは、自らがデザインを間違うことにもつながり、また、顧客とのデザインに関する議論も困難であるということになります。
 しかしながら、ソフトウエアの開発が概念的な作業であるがゆえに、また、いろいろな制約から解放されているがゆえに、作るものの本質を見極める、または、本質を発見するという楽しみもあります。

すごい勢いでSNP解析の論文が出ています

某大学医学部の先生から、ここのところ立て続けに次世代で病気と関連するSNPを見つけたという論文が出ているとの情報をいただきましたので、ちょっとPubmedを(exome sequencing)というキーワードで検索してみたところ、34の論文(内7月と8月12報)が出てきましたので貼り付けました。

1: 
Wijers CH, de Blaauw I, Marcelis CL, Wijnen RM, Brunner H, Midrio P, Gamba P, 
Clementi M, Jenetzky E, Zwink N, Reutter H, Bartels E, Grasshoff-Derr S,
Holland-Cunz S, Hosie S, Märzheuser S, Schmiedeke E, Crétolle C, Sarnacki S,
Levitt MA, Knoers NV, Roeleveld N, van Rooij IA. 
Research perspectives in theetiology of congenital anorectal malformations
 using data of the International Consortium on Anorectal Malformations: 
evidence for risk factors across different populations. 
Pediatr Surg Int. 2010 Aug 21. [Epub ahead of print] PubMed PMID:20730541.

2: 
Bilgüvar K, Oztürk AK, Louvi A, Kwan KY, Choi M, Tatlı B, Yalnızoğlu D, Tüysüz
B, Cağlayan AO, Gökben S, Kaymakçalan H, Barak T, Bakırcıoğlu M, Yasuno K, Ho W, 
Sanders S, Zhu Y, Yılmaz S, Dinçer A, Johnson MH, Bronen RA, Koçer N, Per H, Mane
S, Pamir MN, Yalçınkaya C, Kumandaş S, Topçu M, Ozmen M, Sestan N, Lifton RP,
State MW, Günel M. 
Whole-exome sequencing identifies recessive WDR62 mutations in severe brain malformations. 
Nature. 2010 Aug 22. [Epub ahead of print] PubMed PMID: 20729831.

3: 
Rios J, Stein E, Shendure J, Hobbs HH, Cohen JC. 
Identification by Whole
Genome Resequencing of Gene Defect Responsible for Severe Hypercholesterolemia.
Hum Mol Genet. 2010 Aug 18. [Epub ahead of print] PubMed PMID: 20719861.

4: 
Ng SB, Bigham AW, Buckingham KJ, Hannibal MC, McMillin MJ, Gildersleeve HI,
Beck AE, Tabor HK, Cooper GM, Mefford HC, Lee C, Turner EH, Smith JD, Rieder MJ, 
Yoshiura KI, Matsumoto N, Ohta T, Niikawa N, Nickerson DA, Bamshad MJ, Shendure J. 
Exome sequencing identifies MLL2 mutations as a cause of Kabuki syndrome. 
Nat Genet. 2010 Aug 15. [Epub ahead of print] PubMed PMID: 20711175.

5: 
Teer JK, Mullikin JC. 
Exome sequencing: the sweet spot before whole genomes.
Hum Mol Genet. 2010 Aug 24. [Epub ahead of print] PubMed PMID: 20705737.

6: 
Bowden DW, An SS, Palmer ND, Brown WM, Norris JM, Haffner SM, Hawkins GA, Guo 
X, Rotter JI, Chen YD, Wagenknecht LE, Langefeld CD. 
Molecular basis of a linkage peak: exome sequencing and family-based analysis 
identify a rare genetic variant in the ADIPOQ gene in the IRAS Family Study. 
Hum Mol Genet. 2010 Aug 24. [Epubahead of print] PubMed PMID: 20688759.

7: 
Pierce SB, Walsh T, Chisholm KM, Lee MK, Thornton AM, Fiumara A, Opitz JM,
Levy-Lahad E, Klevit RE, King MC. 
Mutations in the DBP-deficiency protein HSD17B4 cause ovarian dysgenesis,
 hearing loss, and ataxia of Perrault Syndrome. 
Am J Hum Genet. 2010 Aug 13;87(2):282-8. Epub 2010 Jul 30. PubMed PMID: 20673864.

8: 
Kobelka CE. 
Exome sequencing: expanding the genetic testing toolbox. 
Clin Genet. 2010 Aug;78(2):132-4. PubMed PMID: 20662854.

9: 
Kim DW, Nam SH, Kim RN, Choi SH, Park HS. 
Whole human exome capture for high-throughput sequencing. 
Genome. 2010 Jul;53(7):568-74. PubMed PMID: 20616878.

10: 
Walsh T, Shahin H, Elkan-Miller T, Lee MK, Thornton AM, Roeb W, Abu Rayyan A,
Loulus S, Avraham KB, King MC, Kanaan M. 
Whole exome sequencing and homozygosity mapping identify mutation in the cell 
polarity protein GPSM2 as the cause of nonsyndromic hearing loss DFNB82. 
Am J Hum Genet. 2010 Jul 9;87(1):90-4. Epub
2010 Jun 17. PubMed PMID: 20602914; PubMed Central PMCID: PMC2896776.

11: 
Sun Y, Almomani R, Aten E, Celli J, van der Heijden J, Venselaar H, Robertson
SP, Baroncini A, Franco B, Basel-Vanagaite L, Horii E, Drut R, Ariyurek Y, den
Dunnen JT, Breuning MH. 
Terminal osseous dysplasia is caused by a single recurrent mutation in the FLNA gene. 
Am J Hum Genet. 2010 Jul 9;87(1):146-53.
PubMed PMID: 20598277; PubMed Central PMCID: PMC2896768.

12: 
Cirulli ET, Singh A, Shianna KV, Ge D, Smith JP, Maia JM, Heinzen EL, Goedert
JJ, Goldstein DB; 
Center for HIV/AIDS Vaccine Immunology (CHAVI). Screening the human exome:
 a comparison of whole genome and whole transcriptome sequencing.
Genome Biol. 2010;11(5):R57. Epub 2010 May 28. PubMed PMID: 20598109; PubMed
Central PMCID: PMC2898068.

13: 
Pussegoda KA. 
Exome sequencing: locating causative genes in rare disorders.
Clin Genet. 2010 Jul;78(1):32-3. PubMed PMID: 20597920.

14: 
Senapathy P, Bhasi A, Mattox J, Dhandapany PS, Sadayappan S. 
Targeted genome-wide enrichment of functional regions. 
PLoS One. 2010 Jun 16;5(6):e11138. PubMed PMID: 20585402; PubMed Central PMCID: PMC2886846.

15:
Igartua C, Turner EH, Ng SB, Hodges E, Hannon GJ, Bhattacharjee A, Rieder MJ,
Nickerson DA, Shendure J. 
Targeted enrichment of specific regions in the human genome by array hybridization. 
Curr Protoc Hum Genet. 2010 Jul;Chapter 18:Unit 18.3. PubMed PMID: 20582915;
 PubMed Central PMCID: PMC2910258.

16: 
Chen JM, Férec C, Cooper DN. 
Revealing the human mutome. 
Clin Genet. 2010 May 22. [Epub ahead of print] PubMed PMID: 20569258.

17: 
Bainbridge MN, Wang M, Burgess DL, Kovar C, Rodesch MJ, D'Ascenzo M, Kitzman 
J, Wu YQ, Newsham I, Richmond TA, Jeddeloh JA, Muzny D, Albert TJ, Gibbs RA.
Whole exome capture in solution with 3 Gbp of data. 
Genome Biol. 2010;11(6):R62. Epub 2010 Jun 17. PubMed PMID: 20565776; 
PubMed Central PMCID: PMC2911110.

18: 
Lalonde E, Albrecht S, Ha KC, Jacob K, Bolduc N, Polychronakos C, Dechelotte 
P, Majewski J, Jabado N. 
Unexpected allelic heterogeneity and spectrum of mutations in Fowler syndrome 
revealed by next-generation exome sequencing. 
Hum Mutat. 2010 Aug;31(8):918-23. PubMed PMID: 20518025.

19: 
Criqui A, Baulande S. 
[Exome sequencing applied to monogenic disorders]. 
Med Sci (Paris). 2010 May;26(5):452-4. French. PubMed PMID: 20510136.

20: 
Khiabanian H, Van Vlierberghe P, Palomero T, Ferrando AA, Rabadan R. 
ParMap, an algorithm for the identification of small genomic insertions and 
deletions in 
nextgen sequencing data. 
BMC Res Notes. 2010 May 27;3:147. PubMed PMID: 20507604;PubMed Central PMCID:
 PMC2897800.

21: 
Rosenfeld JA, Malhotra AK, Lencz T. 
Novel multi-nucleotide polymorphisms in the human genome characterized
 by whole genome and exome sequencing. 
Nucleic Acids Res. 2010 Jun 2. [Epub ahead of print] PubMed PMID: 20488869.

22: 
Au KS, Ashley-Koch A, Northrup H. 
Epidemiologic and genetic aspects of spina bifida and other neural tube defects. 
Dev Disabil Res Rev. 2010;16(1):6-15. Review. PubMed PMID: 20419766.

23: 
Hildebrandt F. Genetic kidney diseases. 
Lancet. 2010 Apr 10;375(9722):1287-95. Review. PubMed PMID: 20382325;
 PubMed Central PMCID:PMC2898711.

24: 
Meisler MH, O'Brien JE, Sharkey LM. 
Sodium channel gene family: epilepsy mutations, gene interactions and modifier effects. 
J Physiol. 2010 Jun 1;588(Pt11):1841-8. Epub 2010 Mar 29. PubMed PMID: 20351042;
 PubMed Central PMCID:PMC2901972.

25: 
Zaghloul NA, Katsanis N. 
Functional modules, mutational load and human genetic disease. 
Trends Genet. 2010 Apr;26(4):168-76. Epub 2010 Mar 11. Review.PubMed PMID: 20226561.

26: 
Summerer D, Schracke N, Wu H, Cheng Y, Bau S, Stähler CF, Stähler PF, Beier M. 
Targeted high throughput sequencing of a cancer-related exome subset 
by specific sequence capture with a fully automated microarray platform. 
Genomics. 2010 Apr;95(4):241-6. Epub 2010 Feb 6. PubMed PMID: 20138981.

27: 
Biesecker LG. 
Exome sequencing makes medical genomics a reality. 
Nat Genet. 2010 Jan;42(1):13-4. PubMed PMID: 20037612.

28: 
Hedges DJ, Burges D, Powell E, Almonte C, Huang J, Young S, Boese B, 
Schmidt M, Pericak-Vance MA, Martin E, Zhang X, Harkins TT, Züchner S. 
Exome sequencing of a multigenerational human pedigree. 
PLoS One. 2009 Dec 14;4(12):e8232. Erratum in: PLoS One. 2009;4(12). 
doi:10.1371/annotation/b0fe9dd5-16e1-4b50-b590-263518fbd5eb. Hedges, 
Dale [corrected to Hedges, Dale J]. 
PubMed PMID: 20011588; PubMed Central PMCID: PMC2788131.

29: 
Ng SB, Buckingham KJ, Lee C, Bigham AW, Tabor HK, Dent KM, Huff CD, Shannon
PT, Jabs EW, Nickerson DA, Shendure J, Bamshad MJ. 
Exome sequencing identifies the cause of a mendelian disorder. 
Nat Genet. 2010 Jan;42(1):30-5. Epub 2009 Nov 13. PubMed PMID: 19915526; 
PubMed Central PMCID: PMC2847889.

30: 
Choi M, Scholl UI, Ji W, Liu T, Tikhonova IR, Zumbo P, Nayir A, Bakkaloğlu A,
Ozen S, Sanjad S, Nelson-Williams C, Farhi A, Mane S, Lifton RP. 
Genetic diagnosis by whole exome capture and massively parallel DNA sequencing. 
Proc Natl Acad Sci U S A. 2009 Nov 10;106(45):19096-101. Epub 2009 Oct 27. 
PubMed PMID:19861545; PubMed Central PMCID: PMC2768590.

31: 
Ng SB, Turner EH, Robertson PD, Flygare SD, Bigham AW, Lee C, Shaffer T, Wong
M, Bhattacharjee A, Eichler EE, Bamshad M, Nickerson DA, Shendure J. 
Targeted capture and massively parallel sequencing of 12 human exomes. 
Nature. 2009 Sep 10;461(7261):272-6. Epub 2009 Aug 16. PubMed PMID: 19684571;
 PubMed Central PMCID: PMC2844771.

32: 
Maher B. 
Exome sequencing takes centre stage in cancer profiling. 
Nature. 2009 May 14;459(7244):146-7. PubMed PMID: 19444175.

33: 
Horswell SD, Ringham HE, Shoulders CC. 
New technologies for delineating and characterizing the lipid exome: prospects 
for understanding familial combined hyperlipidemia. J 
Lipid Res. 2009 Apr;50 Suppl:S370-5. Epub 2008 Nov 20. Review. PubMed PMID: 
19023136; PubMed Central PMCID: PMC2674706.

34: 
Droege M, Hill B. 
The Genome Sequencer FLX System--longer reads, more applications, straight forward 
bioinformatics and more complete data sets. 
J Biotechnol. 2008 Aug 31;136(1-2):3-10. Epub 2008 Jun 21. Review. PubMed PMID:18616967.

ついでに、Whole genome sequence で 遺伝子決めた論文

Whole-genome sequencing in a patient with Charcot-Marie-Tooth neuropathy.
Lupski JR, Reid JG, Gonzaga-Jauregui C, Rio Deiros D, Chen DC,  
Nazareth L, Bainbridge M, Dinh H, Jing C, Wheeler DA, McGuire AL,  
Zhang F, Stankiewicz P, Halperin JJ, Yang C, Gehman C, Guo D, Irikat  
RK, Tom W, Fantin NJ, Muzny DM, Gibbs RA.
N Engl J Med. 2010 Apr 1;362(13):1181-91. Epub 2010 Mar 10.

第13回マリンバイオテクノロジー学会大会に企業展示

 広島大学東広島キャンパスで、2010年5月29日土曜日から30日日曜日まで行われている第13回マリンバイオテクノロジー学会に企業展示しました。

 マリンバイオは、一昨年の京都大学で行われた第11回から企業展示ははじめて3回目の出展です。コンパクトの学会ですが、わたしにとっては、新たな発見を得ることができるたいへん興味深い学会です。モデル動物ではなく、実際にフィールドで生きている生物たちのほとんどが、単独で生きているのではなく、”共生”関係のもとに生きているというイメージを与えていただいたのがこの学会です。
一般講演プログラムが公開されていました。http://www.med-gakkai.org/jsmb-13/pro/program_i.pdf
今回は、夜行バスまでの時間がたっぷりあったので、市民公開シンポジウム「山河森海のつながりがもたらす豊かな幸」に参加してきました。(聞いてただけですが)これも、最高でした。(下に詳細記載しました)

共生と「ゲノムの縮小」

 海洋研究開発機構を中心にした研究者の方々が、深海に生息する貝(深海性二枚貝シロリガイ)の細胞内に共生するバクテリアに関して発表されていました。共生しているバクテリアは、”自由生活型”と比べて”ゲノムが縮小”しており、さらに、共生しているバクテリアでなくなっている遺伝子の中には増殖に関連するものが消
えていたり、輸送系の遺伝子が消えていたりするそうです。また、いくつかの貝のゲノム比較を行われた結果、貝の生育環境によって欠損遺伝子が異なることもわかったとのこと。このゲノム縮小のプロセスが、真核生物のミトコンドリア葉緑体なとのオルガネラの進化が太鼓の向かいに経た過程と類似しているという考えをしめされていました。つまり、シロウリガイ類共生菌は、ゲノム縮小進化の中期にあたる生物で、ゲノム縮小進化途中にあるのではないかという考えです。

次世代シーケンサの利用に関するシンポジウム

 次世代シーケンサの利用は、ゲノム情報のない生物種への分子生物学的なアプローチに期待されているようです。また、メタゲノムについても、とりあえず読んでみました というところから、先に進んでいるようです。

市民公開シンポジューム「山河森海のつながりがもたらす豊かな幸」

 海の豊かさは、豊かな森の栄養分によってはぐくまれているということは、かなりのひとが認識するようになっていると思いますが、そのきっかけを作った方”牡蠣の森を慕う会代表で、NPO法人森は海の恋人理事長の畠山重篤さん”がメインのパネラで、”西条・山と水の環境機構理事で西条酒造協会理事の前垣壽男さん”、”安芸津漁業共同組合代表理事組合長の柴孝利さん”の三名のお話を聞きました。まとめ役は、”広島大学生物生産部准教授の長沼毅さん”。
 わたしの新しい知識は、”鉄がプランクトンを育てる”というアメリカの海洋学者ジョン・マーチンの鉄理論です。(文芸春秋:本の話より)鉄が水の中に多くあることが、プランクトンを育てるのには良いという話でした。もうひとつ驚いたのは、この東広島の地質は、鉄分が豊富であるということ。安芸津の海は、狭いのに海産物には恵まれているとのこと。牡蠣の産地としては有名なのだそうです。さらに、海の底に湧き出る伏流水が魚の成育に関連しているのではないかという柴さんのお話も衝撃的でした。
 もうひとつ。山川森海ということだけれども、最近は、都市を考えずにはおられないから、山川森海に都会もいれたほうがいいという話が出ました。そうしたら、最近では地産地消といわずに、やっぱり地産都消を考えていかなければならないということになっているそうです。そうでないと食っていけない。

次世代シーケンサの適用分野

Long read と Short read では、使い道が異なります。

Long read の適用分野

 Roche社のGSシリーズは、400bases読める(今年の秋には700baseになるそうな)のでLong readと呼ばれています。旧来のサンガー法で読まれた配列もLong read という分類に入るのでしょか?
 このタイプのシーケンサは、長い配列が得られるのでDe novo sequence(配列を読むというシーケンサ本来の目的)に向いています。

  • De novo sequence
    • 微生物ゲノムの配列決定
    • ゲノムサイズの小さい真核生物のゲノム配列一部決定
  • Structural variation(SNP、CNV、IN/DEL)
    • ゲノムサイズの大きな真核生物の特定領域の変異解析
  • Transcriptome
    • ゲノム未知真核生物の転写配列DBの作成
  • Metagenome

Short read の適用分野

 マッピングされた配列の“深さ”=read数をシグナルとして利用し、ダイナミックな事象を捉えることもできます。しかしながら、原則としては、リファレンス配列が存在していて、それにマッピング(アライメントともいう)しながら、データを作成し、シグナルを得ます。

  • De novo sequence
    • 微生物ゲノムの配列決定
    • ゲノムサイズの小さい真核生物のゲノム配列決定補完
  • Structural variation (SNP、CNV、IN/DEL)
    • Capture&SequencingでSNPのdiscoveryが可能です。
    • paired-endやMate-pairで読めばゲノムサイズの真核生物でもの大きな構造変異解析が可能です。
  • Transcriptome and others
    • mRNAの発現解析:RNA-seqを行って、遺伝子単位の発現頻度指標値を網羅的に得ることができます。
    • 転写因子結合部位解析:ChIP-seqの検出をゲノムワイドで行うことができます。
    • メチル化サイト解析:メチル化サイトの検出をゲノムワイドで行うことができます。