肥満遺伝子ってどういう遺伝子なんだか調べてみました。

 まずは、肥満遺伝子の定義ですが、宇都宮大学農学部のページに簡単に解説されていました。http://agri.mine.utsunomiya-u.ac.jp/hpj/deptj/anij/animal/TOPICS/!OBGENE.HTM肥満遺伝子とは、肥満を起こす遺伝子ではなく、肥満を防ぐ遺伝子」であり「肥満遺伝子という言葉はあまり適当ではない」そうです。
つまり、肥満を防ぐ遺伝子(食欲も含めて体の脂肪蓄積や代謝のバランスを取っているいる遺伝子と解釈してもいいかもしれません。)の塩基配列の特定のタイプでは、その遺伝子のコードする蛋白質の機能が異なる(働きが弱くなる)ので、脂肪の蓄積や代謝に関するバランスを保てなくなり、その結果として、「肥満になりやすい」ということなんだと理解しました。「なりやすい」というのは、遺伝子に問題があっても、多くの場合は、食生活に問題がなければ、肥満になることはないそうなので、そのように表現しました。ということで、わたしは、肥満遺伝子という言い方が適当ではないことがよくわかったので、ここでは、「肥満関連遺伝子」と呼ぶことにします。

レプチン

 さて、肥満関連遺伝子の代表として、宇都宮大学肥満遺伝子のページには、マウスで見つかった「レプチン(Leptin)」の話が記載されていました。レプチンについては、ウィキペディアにも解説が掲載されています。どうも、ヒトでは、レプチンに異常があると食欲が止まらないという症状を起こす一種の遺伝病として知られているようです。生化学的なレプチンの知見は、ウイキペディアにおまかせするとして、レプチンの転写配列はどうなっているのか簡単に見てみました。(UniGeneのCluster番号は、Hs.194236です。)


図1:レプチンの転写配列のアライメントの様子

3つのエクソンで構成されていて、3つ目の最終セクソン、つまり、3'UTRが異常に長い(約3kbp)遺伝子です。この遺伝子には、ESTの数があまり登録されていません。(15個)転写配列として発現量が多い遺伝子ではないのかもしれません。3塩基違いの小さなスプライシングバリアントがひとつありましたが、大きなスプライシングバリアントの痕跡はないようです。

その他の肥満関連遺伝子

その他には、次のような遺伝子の記載がありました。勉強しながら、肥満関連遺伝子の収集を続けていきます。また、転写配列の様子についても、機会を見て報告します。

  • セレトニンレセプター
  • アドレナリンレセプターβ3

今日はこのあたりで、おやすみなさい。