FGFR1とLETM2の境界領域

(A)richでしたが・・・

里山さんのコメントに従って、FFGFR1とLETM2の境界領域の変な転写産物クラスタのゲノム領域が(A)richではないかどうか確かめてみました。(A)richでした。で、この領域の転写配列は、コンタミしたゲノム配列を(A)richな領域から逆転写でcDNA合成され、シーケンシングされてしまったということなのだなぁーー、となるのかなと思ったのですが。。。



図1:FGFR1とLETM2の3'UTR近辺のゲノム配列は(A)richか? 変な転写産物の正体・・・

もう少し、この部分を詳細に見てみると、なんと、FGFR1のサブクラスタ#53では、この領域にORFを持ったmRNA:AF173898MSTP123と、わが日本が誇るFLJ(ヒト完全長プロジェクト)の配列:AK130555がアライメントされていました。


図2:ゲノムが(A)richな領域の少しだけ5'側の領域の概略図

図3:ゲノムが(A)richな領域の少しだけ5'側の領域の塩基配列

FLJのクローンがあるということは、オリゴキャップ法でシーケンシングされたわけですから、5'からcDNAが合成されているので、(A)richとは直接関係なく、この付近に確かに転写産物があるという証拠のひとつにはなるのですよね。MSTP123は、わたしが知らないだけで、FGFR1と関係のある有名な蛋白質なのでしょうか?どちらにせよ、LETM2の#11のサブクラスタは、この蛋白質をコードしている転写産物のようです。(なお、#11のコンセンサス配列は、(A)richな領域を越えて、さらに3'よりの領域の配列が、既知蛋白質とのBLASTX結果ではALUにヒットする領域になっています。ALUと類似性を示すというのは、イントロンや遺伝子間領域に落ちる転写産物には、ちょくちょく見られるようにも思われますので、また、別の機会に勉強します。)