(2)−プログラマには、得意分野・不得意分野があります

 ソフトウエアには、”種類”があります。また、適用業務も千差万別です。ですので、優秀なプログラマであっても、どんなプログラムでも作ってしまうことができるわけではありません。
 たとえば、「ユーザインタフェース」を「Javaのswingを使って作る」のが得意だというプログラマはたくさんいますが、その中でも「研究目的を達成するために、どういうユーザインタフェースが良いか?ということを”考える”」のが得意なひともいれば、「どういうユーザインタフェースが良いか決めてくれたら、”さっさと作る”」のが得意なひともいるわけです。
 バイオテクノロジーの分野では、よく誤解されるのですが、ソフト屋さんが持っているようで持っていない技術があります。それは、”統計処理”と”数理計算”です。世の中のプログラマの大半は、”構造物”としてのソフトウエアを作る作業に従事しています。大昔、プログラミングは、”数学”を得意とする人がやるもの、と思われていた時代がありました。確かに、コンピュータそのものを開発した先人は数学が得意だったかもしれませんし、コンピュータの最初の適用分野は、”数理演算”や”統計計算”であったかもしれません。そういう”アルゴリズムオリエンテッドなソフトウエアは、わたしがプログラマを始めたときには、すでに、少数派になっていました。約20年前で、すでに”構造物を作る”という、建築業のイメージに近い職業になっていました。
 今のプログラマの大半は、理数系の学部を卒業した人でも、数理計算は、遠い昔に学校の授業に出てきたなぁー という状態かもしれません。ましては、文系出身や専門学校出身のプログラマでは、こういうことをやった経験がないわけです。
 ”構造物を作る”という分野と”数理計算を行う”という分野は、まったく、異なる分野であることを是非ご理解いただきたいと思います。その上で、数理計算等も含めた種々の研究支援をプログラマの方にお願いされるとよいでしょう。わたしは、統計や数理計算には弱いので、そういうことが得意な会社に協力を得るようにしています。できないことは、できないといわなければなりませんが、できる方法やできる会社をご紹介することによって、結果として、研究を支援できるのであれば、それもひとつの解決方法と考えています。