56th ASMSのカンファレンスにいってきました。


ASMS(American Society for Mass Spectrometry)は、アメリカ合衆国質量分析学会ですが、今年も、多くの国籍を持ったひとが参加されていました。会期は、6月2日から6月7日まででした。
学会の行われたところは、コロラド州の州都であるデンバーにあるコロラドコンベンションセンターです。コンベンションセンターの建物は、おそらく、大きさでは横浜パシフィコ程度で、その1フロアー全部を使って、ポスター発表と企業展示を行っていました。昨年のインデアナポリスは、Indy500が開催されるオーバルコースがあったり、3Aのインディアンズのホーム球場があったりで(生の桑田の投球を見てしまいました。)したが、デンバーは、牛丼の吉野家アメリカに進出したときの一号店がここだった(ような?)ぐらいで、なにか有名なものがあるのかなと心配していましたが、ありました。
まず、球場はメジャーリーグロッキーズの球場がありました。Denverは、ロッキー山脈の東側で、標高1マイル(約1600m強)あるところから、マイル-ハイ-シティと呼ばれています。ロッキ−ズのホームグラウンドである「Coors Field」も、マイルーハイと呼ばれています。そう、この球場は、野茂投手がノーヒット・ノーランを達成した球場です。野球だけではありません。アメリカンフットボールは、コロラドブロンコスのホームです。
その他、デンバーにいく前に、デンバーの歴史を少し勉強していたら、AMTREK(大陸横断鉄道)の話が飛び込んできました。デンバーは、鉄道輸送が主力だった時代には、アメリカ大陸の鉄道のほとんどが、デンバーを中心に放射状に伸びていたとのこと。つまり、デンバーは、鉄道輸送時代には、物資や人の集積地であったということです。今は、AMTREKは、1路線だけですが、1日上りと下り1本づつが運転されています。シカゴからサンフランシスコまでです。最終日終了後、デンバーの駅にいって、AMTREKを見ることができ、写真に収めることができました。(駅の警備の人に中を見たいから入れてくれといったのですが、断固として拒否されました。残念...)。Denverからは日帰りでロッキー山脈を観光できる列車も出ていました。(乗ってみたかった...)
ところで、Denver国際空港からバスに乗って市内まで移動したのですが(結構ありました、おそらく、羽田から東京都内くらいはあると思います)、Denverの市内へいく人よりも、ボールダーに行くひとのほうが確実に多かったです。そう、あの高地トレーニングで有名なボールダーは、避暑地でもあるわけです。一日前にDenverに入った人の話では、Qちゃんを空港で見たとのこと。しかしながら、もっとも印象的だったのは、Denver空港の周りに、木がほとんどなく、草も生えていない荒地が広がっていたことと、早朝に通ったハイウエイの混雑振りでした。(朝6時代だったのにいっぱい。アメリカ人はやっぱり働きものでした)

ASMSでの発表内容

今年のASMSでは、昨年、東京都の助成を受けて開発した「Sequence Composer」をCorporate Poster で提案してきました。

  • このソフトウエアの機能のひとつは、UniProtのFeature TableのSNPやSplicing Variant、Processing情報を利用して、UniProtのEntry配列から種々のVarinatを作成することです。作成された配列を質量分析結果との照合に使ってもらうことで、次のふたつのメリットをプロテオーム研究者に提供します。
    • 実在する可能性の高いアミノ酸配列データを提供することで、ペプチドに対応づけられなかった質量分析結果の同定精度を向上します。
    • 注目しているmatureなペプチド配列がサンプル中にあり、それがUniProtのFeatureTable情報に存在するならば、検索結果を見るだけで、どのバリエーションがヒットしているかすぐにわかります。
  • もうひとつの機能は、UniProtのFeature情報をひと目で見ることができるViewerが用意されていることである。
    • Entry配列と加工した配列を見比べることができます。
    • Entry配列上でも、加工配列上でも、個々のFeatureTable情報(ドメインや修飾)の位置・領域を確認することができます。